稲作崩壊――農水省とJAの罪

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令和のコメ不足は来年も続く

インバウンドや猛暑は関係ない!

記録的な冷夏でコメが不作となり、タイ米を緊急輸入した「平成の米騒動」を思い出した人も多いのではないか。しかし、今回のコメ不足は不作が原因ではない。背景には、日本の農政の不作為がある。

備蓄米を放出しない理由

「8月8日に南海トラフ地震への臨時情報が出され、災害に備えたコメの買い占めが起こりました。それ以前の6月からコメの流通在庫は減っており、パニック的な買い占めにつながった。台風10号の上陸も相まって、いまだに収まっていません。

 ただ、100万トンもの政府備蓄米が倉庫に眠っているのですから、政府と農林水産省が『備蓄米を出す』と一言言えば、パニックはすぐに収まったはずです。しかし、政府は10年に一度クラスの不作か、通常程度の不作が2年連続する事態にしか備蓄米を放出しないと決めており、機動的な放出ができない。今回のコメ不足は、これが最大の要因だと思います」



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