永瀨拓矢「運命」のリベンジマッチ 僕はこう向き合う

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連載『一棋一遊』特別版

藤井聡太の八冠達成から1年

昨秋の王座戦で手痛い逆転負けを喫した永瀬は、藤井に屈辱の全冠制覇を許した。「藤井さんとの違いは何か」。調子を崩し、人知れず思い悩んだ一年を振り返りながら、再戦に懸ける意気込みを明かした。

取材・文/大川慎太郎(将棋観戦記者)

猛烈だった「負けの痛み」

「運命」と永瀬拓矢九段が自ら表現したリベンジマッチがいよいよ始まる。

 7月22日、第72期王座戦挑戦者決定戦で永瀬は羽生善治九段に勝利した。終局後の記者会見で、藤井聡太王座への挑戦権を獲得したことへの感想を問われた永瀬は「最近は挑戦者決定戦でかなり多く負けてしまっていたので、ここで一つ結果を出すことができてよかった。それが王座戦というのは運命を感じます」と穏やかな口調で語った。



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