講談社 本田靖春ノンフィクション賞 発表と選評

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令和4年度(第44回)

 今回の受賞作は、ルポルタージュ、伝記、体験記などのノンフィクション作品で、単行本、新聞、雑誌などに、昨年4月1日より本年3月末日までに発表されたものから選ばれました。選考委員は魚住昭、後藤正治、最相葉月、中沢新一、原武史の5氏(五十音順)です。

 候補作品は受賞2作品を含め、インベカヲリ★『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』(KADOKAWA)、鈴木忠平『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(文藝春秋)、高梨ゆき子『命のクルーズ』(講談社)、中日新聞編集局・秦融『冤罪をほどく"供述弱者"とは誰か』(風媒社)、常井健一『おもちゃ 河井案里との対話』(文藝春秋)、藤岡雅『保身 積水ハウス、クーデターの深層』(KADOKAWA)の6作品(著者五十音順)でした。

受賞作品

嫌われた監督
落合博満は中日をどう変えたのか
(文藝春秋刊)
鈴木忠平

鈴木氏 受賞のことば

 監督としての落合博満さんから最後に聞いた言葉を、いまだ鮮明に覚えている。あれは二〇一一年の冬だった。落合さんはそのシーズン限りで中日ドラゴンズの監督を退任し、スポーツ新聞の番記者だった私も名古屋から大阪への転勤が決まった。



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