[短期集中連載]新しい自民党のリーダーズ[第五回]古川禎久

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「自民党は沈みゆく船と化した」

裏金事件も旧統一教会問題も、総選挙ですべてリセットしてしまえばいい――石破首相の解散にはそんな思惑が滲んでいる。しかし、小手先の対応ではもはや、自民党の劣化を止めることはできない。

取材・文/森 功(ノンフィクション作家)

小泉進次郎を推した理由

 沈みゆく古い船の上で盛大なイベントをやっているかのようだ――。


 先の自民党総裁選について問うと、古川禎久(59歳)は、そんなたとえ話をした。日本屈指の進学校、鹿児島ラ・サール中高から東大法学部、建設省(現国交省)というエリートの階段を昇る一方、政治家を志して建設省を退官すると、目黒区内で焼き鳥屋を経営した。郷里の英雄、西郷隆盛に私淑し、石橋湛山を敬う。近い将来、自ら総理を目指すと公言する政界ニューリーダーだ。



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