[短期集中連載]新しい自民党のリーダーズ[第三回]林芳正

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「岸田総理と発泡酒を酌み交わしたあの夜」

下馬評の高かった進次郎がここに来て伸び悩んでいる。当人の政治的な力量からすればさもありなん、『新しい自民党のリーダーズ』にはほど遠い。政界きっての政策通と評される林に話を聞いた。

取材・文/森 功(ノンフィクション作家)

岸田と二人きりの懇談で

 山口県を選挙区とする林芳正(63歳)は、折に触れて同郷の安倍晋三と比較された政界のサラブレッドといえる。高祖父の林平四郎、祖父の林佳介、実父の林義郎に継ぐ4代目の世襲議員だ。東大法学部、三井物産、林家と縁の深い地元の「サンデン交通」や「山口合同ガス」勤務を経て、米ハーバード大ケネディ・スクールで修士号を取得し、米下院議員スタッフまで務めた。銀の匙を銜(くわ)えて生まれたと揶揄(やゆ)されることも多いが、防衛、農水、文科、外務の各大臣を歴任し、岸田政権では官房長官に任命された。



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