[連載第9回]興銀秘史 カネの匂いがした時代
経済 | 2023.11.21 |
「尾上縫事件」30年目の真相
仲居から大物相場師に成りあがった「バブルの女帝」
経営会議でも、不審がられていたのだが……
時はバブル経済真っ盛り。天才相場師と崇められ、神のお告げを受けたという投機的な株の売買で、女帝とも呼ばれていた女性がいる。尾上縫だ。彼女が担保にしていたのが興銀の"ワリコー"だった。
取材・文/
ノンフィクション作家
森 功
仲居から大物相場師に成りあがった「バブルの女帝」
経営会議でも、不審がられていたのだが……
時はバブル経済真っ盛り。天才相場師と崇められ、神のお告げを受けたという投機的な株の売買で、女帝とも呼ばれていた女性がいる。尾上縫だ。彼女が担保にしていたのが興銀の"ワリコー"だった。
取材・文/
ノンフィクション作家
森 功
バブル前夜の合併交渉
日本興業銀行はなぜ消滅したのか。富士銀行や第一勧業銀行との3行統合に向けて本格的に動き出したのは、日本のバブル景気が崩壊したあとだが、実はもっと早く、統合の蠢動(しゅんどう)は1980年代からあった。元興銀常務の玉置修一郎(91歳)が次のように打ち明ける。
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