大西広(経済学者)×白井聡(思想史家)[特別対談]少子化と『資本論』

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マルクスを読めば、
この国が行き詰まっている理由がよくわかる

先進国で進む急激な少子化問題。これは資本主義システムに限界が来ている証左に他ならない。なぜ政府による少子化対策はことごとく失敗するのか? マルクス経済学に精通した2人が解き明かす。

あらゆる業界が人手不足

〈少子高齢化の悪影響が労働力不足という形で日常生活に押し寄せている。人口は14年連続で減少し、昨年はマイナス80万人。これは減少率・減少数とも過去最大だ。こんな事態を招いた元凶は何なのか。岸田政権の少子化対策は大間違いと喝破する経済学者と思想史家による白熱の議論。〉

白井:日本では労働力不足が私たちの日常生活の中で顕著に表れています。たとえば、来年にはトラックドライバーの労働時間の規制が強化されることで、圧倒的なドライバー不足に陥ることが見込まれています。この規制強化自体は歓迎すべきことですが、即日配達のようなサービスは今後、難しくなるでしょう。



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