[ルポ 北海道猿払]「ホタテ長者村」訪問記

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年収3000万円の漁師が建てた豪邸が建ち並ぶ寒村。
だが、中国による禁輸措置で売り先がなくなって……

テレビなんて出なけりゃよかった……。世間の批判を受け、ベテラン漁師はポツリと呟いた。中国の禁輸措置で、猿払村ではホタテパニックが発生。ホタテ長者は没落してしまうのか? 現地に飛んだ。

芦屋よりも平均年収が高い

「貧乏見たけりゃ、猿払(さるふつ)に行け」

 こんな言葉が広まるほど、かつて北海道猿払村は貧しい村だった。明治時代にホタテ漁で栄えたが、乱獲により数が激減。浜に流れ着いた缶詰がごちそうと言われるほどの飢えに苦しんだ。

 転機となったのは、'71年に始まったホタテの稚貝放流だった。1億9400万粒の稚貝を海に放ち、ホタテが育つまでの4年間を耐え忍んだ。稚貝事業は成功し、猿払村はやがて日本一のホタテの産地となった。



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