[連載第6回]興銀秘史 カネの匂いがした時代

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角栄政権誕生とインドネシア石油

'72年7月。自民党総裁選で"難敵"の福田赳夫を破り、総理大臣の座を射止めた田中角栄。実は、この政権誕生の裏には日本興業銀行の知られざる暗躍があった。当時を知る元興銀常務がすべてを語る。

取材・文/ノンフィクション作家
森 功

テロ事件に助けられた

 玉置修一郎(91歳)は、日本興行銀行外国営業部融資第一課長に就任したばかりの頃、中東の石油事業を任された。興銀の若きいち課長に過ぎない。やはり荷が重かったと笑う。



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