令和5年度(第45回)講談社 本田靖春ノンフィクション賞 発表と選評

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今回の受賞作は、ルポルタージュ、伝記、体験記などのノンフィクション作品で、単行本、新聞、雑誌などに、昨年四月一日より本年三月末日までに刊行および発表されたものから選ばれました。
選考委員は赤坂真理、魚住昭、後藤正治、最相葉月、原武史の5氏です。最終候補作品は受賞作を含め、伊澤理江『黒い海 船は突然、深海へ消えた』(講談社)、伊藤喜之『悪党 潜入300日 ドバイ・ガーシー一味』(講談社)、齊藤彩『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)、永田豊隆『妻はサバイバー』(朝日新聞出版)、星野博美『世界は五反田から始まった』(ゲンロン)、森功『国商 最後のフィクサー葛西敬之』(講談社)の6作品でした。

受賞作品
黒い海 船は突然、深海へ消えた
(講談社刊)
伊澤理江

受賞のことば

『黒い海 船は突然、深海へ消えた』は2008年に千葉県沖で沈没した「第58寿和丸」をめぐる物語だ。

 このまき網漁船はなぜ、突然転覆して沈んだのか。それは船体に損傷が生じたからではないか。だから、本当の原因を探るためにも船体を調査してほしいと、船主や遺族らは事故後、国に潜水調査の実施を求めた。全国から集まった14万筆の署名を携え、水産庁、国交省、運輸安全委員会と関係省庁に嘆願していく。



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