その認知症薬、ほとんど効きませんよ

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鳴り物入りの高額新薬に、
学者たちが疑問符

人類を悩ませてきた「アルツハイマー病」。その治療薬「レカネマブ」が、実用化まであと一歩のところへきた。しかし、この薬への疑念を隠さない科学者もいる。薬の効果、価格……彼らが抱く「懸念」に迫る。

悪化は防げない

 8月21日、夕方。

 夏の太陽が傾くなか、霞が関にある厚生労働省の第21会議室には、長机が「ロの字」型に並んでいた。やがて会議室には、研究者や医師など医薬品の専門家たちがつぎつぎと姿を現す。彼らが席につくと、非公開の会議が始まった――。



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