[生誕70年特別企画]テレサ・テンはなぜ死んだのか――いまの台湾から

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時の流れに⾝をまかせ
あなたの⾊に染められ

なぜかあの人の歌を聴くと哀しくなる。なぜかあの人の声を聞くと懐かしくなる。悲壮な最期を迎えたテレサ・テン。彼女はどうしてあんなに早く去ってしまったのか。もう一度、その歌が聴きたい。

天性の声色と愛苦しさ

 台湾新北市に位置する霊園に、ひときわ美しい墓園がある。鄧麗君紀念公園。歌姫テレサ・テンが眠る場所だ。

 没後28年が経ったいまでも、この公園内にある彼女のお墓には、台湾の人々はもちろん、アジア中から多くのファンが花を手向けに訪れる。特に今年はテレサ(中国語の芸名は鄧麗君)の生誕70年にあたるため、彼女が亡くなった5月8日には、普段よりも大勢の人が花束を手にやってきた。生誕の地・台湾でテレサはいまでも変わらぬ人気を誇っており、彼女ゆかりの地を回るツアーが組まれたり、若いミュージシャンが彼女のカバー曲を発表したり、と世代を超えて彼女の魅力が語り継がれている。



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