激論「少子化対策」は本当に必要か

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もう子供は増えない、じゃあどうする?

カネを配る、保育所を増やす、共働き夫婦を支援する――。政府は、そうすれば少子化を克服できると喧伝してきた。だが蓄積されたデータが示すのは、もはや万策尽きたという「不都合な真実」だ。

世界中で「効果なし」

 授業参観の日、教室に入りきれない親が廊下から覗きこんでわが子を見守る。子供たちは壁際までぎっしりと並んだ机に座り、元気いっぱい「ハイ!」と手を挙げる――。

 いま70代なかばにさしかかった「団塊の世代」が幼いころには、こんな風景を全国の小学校で見ることができた。第一次ベビーブームが最高潮に達した'49年の出生数は、およそ270万人。急ピッチで同じ地域に「第二」「第三」と学校を造り、さらに建て増しして教室を増やさなければ追いつかないほどだった。



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