週現『熱討スタジアム』第472回 勝新太郎の『兵隊やくざ』を語ろう 今週のディープ・ピープル 中島賢×鹿島茂×田崎健太

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軍隊の理不尽さに立ち向かった
『座頭市』『悪名』に並ぶ代表作

上官に殴られてもまったく動じず、逆に躊躇なく殴り返す。まだ戦争中の記憶を脳裏に残していた昭和の人々は、勝新が演じる大宮貴三郎の痛快さに拍手した。

「勝ちゃんに似合う」

鹿島:私が勝新太郎作品の魅力に目覚めたのは、高校生の時。雑誌で評論家の柳生すみまろさんが『兵隊やくざ』を絶賛する記事を読んだのがきっかけでした。試しに見たら本当に凄い。満州の陸軍内務班という旧日本軍の中でも理不尽さの極みのような環境に、勝新演じる元やくざ、大宮貴三郎二等兵が放り込まれる。上官も平気で殴り倒し、何度も営倉にぶち込まれるが、それでもへこたれない。ターミネーターのようなタフさには魅了されました。



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