「郵便局」と「農協」戦後日本の見えざるタブー

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巨大組織の内幕を誰よりも知るジャーナリストが明かす

藤田知也×窪田新之助

ともに全国に根を張り、自民党の支持団体として政治力を備える。不合理な組織体ゆえ、何度も改革のメスを入れられながらも、しぶとく生き残ってきた。彼らが頑なに組織防衛を図るのはなぜなのか。

日本最強の集票マシン

窪田:藤田さんの新刊『郵便局の裏組織 「全特」――権力と支配構造』(光文社)を読みました。政治と密接にからみ、自らの利権を温存しようとする郵便局長会という闇の組織が、郵政民営化後もしぶとく生き残っているという見えざる実態に迫った作品で、実に読み応えがありました。

藤田:私は'19年から日本郵政グループの取材を始めたのですが、当時はかんぽ生命の不祥事報道が相次いでいました。それを皮切りに郵政グループの「腐敗」の構造に迫りたかったのですが、最もつかみどころがなかったのが、日本郵便の郵便局長で組織される「全国郵便局長会」(全特)です。



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