「京都タリウム殺人」犯に無罪判決が下る日

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司法関係者が固唾を呑んで見守る、前代未聞の「謎」

女子大生は死亡し、叔母は植物状態――

毒物を飲ませて人を殺める――これだけなら古典にもある犯罪だ。だが今回の場合、どうも様子が違うようだ。犯人が毒物を持っていたか、その証明さえできない事態になっているのだから。

証拠が出てこない

「黙秘します」

 憲法38条でも刑事訴訟法198条でも、黙秘権は被疑者の権利として保障されている。だが宥めてもすかしても動かない頑なな男の表情から、その感情を読み取ることは難しい。逮捕から3ヵ月以上、大阪府警の捜査員たちは、日に日に焦りの色を濃くしている。



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