スペシャルインタビュー 山﨑努「演じることは、生きること」

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どこまでも俳優道を貫いて

86歳にして立ち続ける男

自宅に本誌記者を招き入れた山﨑は、缶ビールを片手に、年齢を感じさせない気迫のこもった言葉を紡いだ。日本俳優界の生き字引である山﨑は、6時間にわたるインタビューで何を語ったのか。

人と違うことがしたかった

山﨑:僕のなかにあったんだね。演劇的なことで何か残したいという気持ちが。俳優のありようみたいなものを書きたいと思っていたんです。だから「自伝」じゃないんですよ。自伝は単なる手段、自分を材料にしただけで、目的は「演じることってなんだろう」という演技論です。


 山﨑努86歳。彼は'22年11月に『「俳優」の肩ごしに』という著書を上梓した。まさに肩ごしに眺めるような視点で俳優業を振り返ったこの本を、彼は自伝ではないと語る。では、いったい山﨑が意図したこととは何だったのだろうか――。



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