P・クルーグマン 混沌の世界と日本経済への「警告」

[ptitle]
「何もしないキシダ」で破綻がきっと来る

コロナ第7波、ウクライナ情勢、そしてインフレ――世界経済は新たな転機を迎えている。明日の行方すら分からない時代、果たして世界は、そして日本はどこに向かうのか。現代の知性が語り尽くす。

インフレは続くのか

 今、世界でどの国も頭を抱えているのがインフレの危機です。とりわけアメリカのインフレの勢いは凄まじく、今年6月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比の伸び率9.1%でした。この数値は第2次オイルショック後の'81年12月以来、約40年ぶりの高水準です。

 もしかすると、近いうちにインフレ率はもう一段階上昇する可能性もあります。他の企業が値上げをすると思われるから、自分の企業も値上げをする。この「インフレ予想の定着」と呼ばれる現象と、それに付随する便乗値上げが予測されます。



会員の方は