[本格評伝連載]丹波哲郎は二度死ぬ 第2回 仲代達矢が明かす「稀代の人たらし」の真実

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戦後芸能史とともに紐解く
巨弾ノンフィクション

日本映画の大スターは、なぜ晩年に「大霊界」へ傾倒したのか

遅刻常習犯で撮影現場にはいつも遅れてやって来た。それでも彼が現れると、場の空気が明るくなった。人の失敗をも鷹揚に受け止め笑い飛ばす。そこには俳優・丹波哲郎の「器の大きさ」があった。

野村進(ノンフィクションライター)

竹光なんて使うな

 仲代達矢には、10歳ほど上の世代に、目標とする3人の映画俳優がいた。

 三船敏郎と三國連太郎、そして丹波哲郎である。

「3人の大先輩の中で、僕が一番慕ったのが丹波さんです。大好きな人でしたね」



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