[経済インサイド]トヨタが「50万円のEV」に敗れる日

[ptitle]
新興メーカーと世界の強豪が挟み撃ち

半導体に液晶、ガラケー。技術はいつか必ず陳腐化し衰退する。まもなくガソリン車もそうなるだろう。だが日本の自動車業界は動きが鈍い。うかうかしている間に、全くの新興勢力が動き始めていた。

井上久男(ジャーナリスト)

キレた日本電産

 自動車業界の「次の盟主」の座をめぐって、トヨタ自動車グループとモーター大手の日本電産が水面下で激しい鞘当てを展開している。

 ことの発端は今春、トヨタが日本電産に対し、「トラクションモーター」の供給を持ち掛けたことにある。トラクションモーターとは、モーターとそれを制御する半導体、減速機が一体となったもので、ガソリン車でいうエンジンと変速機に相当する動力源である。



会員の方は