週現『熱討スタジアム』第407回 奥崎謙三の映画「ゆきゆきて、神軍」を語ろう 今週のディープ・ピープル 原一男×寺脇研×安田浩一

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元兵士の執念に、
戦後日本の日常は
切り裂かれた

男は全身に怒りと気迫をまとい、たったひとりの「神の軍隊」となって正義を貫こうとした。戦後日本がひた隠した戦争の記憶と暗闇が、余さず映し出される122分間。

東映、東宝は配給を断念

安田:'87年の8月、公開直後に『ゆきゆきて、神軍』を劇場で観た時の衝撃は忘れられません。

 20代の私は、バブルで浮かれた世間の空気や、恋愛ものの映画やドラマばかり持て囃(はや)される風潮に反発を覚えていました。そんなときにこの映画に出会い、奥崎謙三という特異な人間を目の当たりにして、平凡な日常をガーンとぶち壊されたような気がしたんです。



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