渡哲也さん 知られざる「最後の5年間」

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一周忌 発掘秘話

どこまでも優しかった人のけじめ

がん、心筋梗塞、肺炎・・・・・・次から次へと襲いかかる病にも負けず、
酸素ボンベをつけながら旧友に電話をかけた

スラリとした長軀に、強い意思を感じさせる鋭い眼差。テレビや銀幕の向こうに映る渡さんには、誰にも真似できない圧倒的な存在感があった。情に厚く、一本気な男の中の男の「人生の終い方」とは。

相手が励まされた

「渡さんが亡くなる2週間前、うちに電話がかかってきました。受話器を取ると、『おお、スガチンか』と私のあだ名を優しく呼びかけてくれた。

 当時の渡さんは、酸素ボンベをつけて呼吸をしている状態です。それでも声を絞り出すようにして、私に『最後の挨拶』をしてくれました」

 そうしみじみと語るのは、俳優・渡哲也さん(享年78)の50年来の友である殺陣師の菅原俊夫さん(80歳)だ。



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