[巻末大特集]「老いと病」に向き合った人たちはあのとき何を考えていたか

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恐怖。達観。諦念。挑戦。刻々と迫り来る死を、
あの先人たちはどう受け入れていったのか

松方弘樹 李麗仙 梅原猛 大賀典雄 堺屋太一 兼高かおる
ケーシー高峰 小出義雄 三船敏郎 森光子 与謝野馨

自分の人生の終わりがいつか、前もって知ることはできない。10年後か半年後か、それとも明日なのだろうか。歳を重ねたすえ病に侵されたとき、人生の達人が見せたふるまいに学ぶことは多い。

松方弘樹(俳優)
脳リンパ腫 享年74
「どんなに無様でもいいから、芝居がやりてえな」
記憶が失われる恐怖と闘い続けた

「松方さんは60歳を迎えたとき、肉体の老いと映画人生の翳りを最も感じたのではないでしょうか。自身がプロデュースした映画が軒並み失敗して莫大な借金を抱えた。私生活でも仁科亜季子さんと離婚して、財産も、子供の親権も全部失いました。その頃、杏林大学病院での健康診断で、医師に『生きているのが不思議なくらい悪い状態だ』と言われたそうです」



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