滝久雄という「令和の政商」[大反響! 短期集中連載 第5回]逮捕歴のある「ぐるなび会長」が「文化功労者」に選出されるまで

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楽天・日本郵政の提携からGoTo疑惑まで、あらゆる問題に顔を出す男

文化勲章に次ぐ栄誉とされ、終身年金も支給される「文化功労者」。ただ、その選出過程は曖昧で、政治が介入する余地もある。候補者の過去の「履歴書」についてもあまり調べられてはいないようだ。

森 功(ノンフィクション作家)

前回までのあらすじ/「ぐるなび」の創業者・滝久雄と菅義偉総理は昵懇だと言われる。滝が新しい端末事業を始めた東京駅の「銀の鈴」広場には、菅の実弟が和菓子屋を出店するという奇妙な縁もあった。

「推した」のは誰なのか

「祝 滝久雄文化功労者ご選出」

 2020年11月3日文化の日、東京・有楽町にあるエヌケービー本社玄関前は、そう書かれた胡蝶蘭(こちょうらん)であふれていた。贈り主はJRをはじめ、東京地下鉄や東急、京急、小田急といった鉄道関係各社、日本航空やSMBC日興証券、三井不動産……。どれも大きな鉢植えで、玄関先に収まりきらず、廊下にまではみ出している。



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