[巻頭大特集]わがままに死ぬための教養 [第2部] 息を引き取る瞬間まで、わがままでいい

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【Ⅶ】
痛いのも苦しいのも嫌だ
この「根回し」次第で、自分の死に方は選べる

 のど元に太いチューブを繋がれた妻の姿に、夫の和田毅さん(77歳・仮名)は思わず目を背けた。マスクをつけるだけの人工呼吸器とは程遠い大掛かりな装置が、妻を生きながらえさせていた。

「気管を切開されているため、声はほとんど出せなくなりました。痰の吸引が始まると苦しそうに身体を震わせるのが痛々しくて、いっそ家で死なせてあげればよかったと、なんども後悔しました」



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