[経済インサイド]豊田章男が口走った「トヨタが日本から出ていく日」

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「脱炭素」と「EVシフト」で崖っぷち
――そのとき、日本の製造業は終わる

トヨタはこの国の経済の屋台骨として日の丸を背負い続けてきた。だが、もう限界かもしれない――トヨタ社長から漏れた本音は、「脱炭素」をめぐる政府と企業の深刻な対立を暗示するものだった。

100万人の雇用が消える

 その日の豊田章男・トヨタ自動車社長は、どこか苛立っているように見えた。

 3月11日に行われた日本自動車工業会記者会見での話である。

 コロナの影響で開催が危ぶまれる東京モーターショーに関して、朝日新聞の記者が「見通し」をくり返し問うと、豊田氏は「『見通し』がお好きですねえ」と冷笑交じりに返答した。



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