中島みゆきの名曲『慕情』で人生を振り返る

[ptitle]
♪甘えてはいけない時に情は無い
手離してならぬ筈の何かを間違えるな

年齢を重ねなければ作れない歌がある。出会いと別れを繰り返し、命を削り出して生まれた一曲。古希を控えた中島みゆきだからこそ紡ぐことができる深い歌詞に、人は自らの来し方を重ね合わせる。

悔恨を抱きしめて

 今年69歳になる中島みゆきの全盛期は、いつだろうか。

 '75年、『時代』を引っ提げて世に出てきた23歳か、いまも多くの日本人に歌い継がれる『糸』('92年)を作曲した40歳か。その答えを出すのは容易ではない。50年近くも第一線で走り続けてきた中で、彼女はどの時代にも名曲を生み出してきたからだ。



会員の方は