[この国はいつの間にか正義の人だらけに]かくて世論は作られる

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「異論を口にしたヤツは許すな」
「落ちた犬は死ぬまで叩け」

「差別主義者を吊るせ!」。正しい世論の前ではいかなる反論も許されない。無敵の正義を振りかざす人に、「悪」は決して敵わない。でも考えてほしい。その正義は、誰かを幸せにしているだろうか。

謝罪も弁明も許さない

 かつて、「市中引き回しの上打ち首獄門」という刑罰があった。

 重犯罪の下手人とされた者は、縛り上げられて市中を引き回されたうえ、斬首や火刑に処される。そして、その首や死体を晒され、見せしめと同時に見世物となる。

 江戸の世なら、そうした刑罰を決めるのは、大岡越前守あたりだったろう。では現代、それを決めるのは誰なのだろうか。



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