コロナ後に起きる大問題――「忘れられる」悲劇を考える

[ptitle]
もう元には戻らない

会食にカラオケ、旅行に花見。肩寄せ合って酒を酌み交わす楽しみが奪われて早1年。リモートワークが当たり前の衛生的な社会になって、私たちは本質的なものを失い、忘れてしまったのではないか?

もうカラオケも忘れた

 時は明治43年。関西を代表する経済人・藤田傳三郎(でんざぶろう)は子息のために贅をこらした網島(あみじま)御殿を建造した。戦後、「太閤園」と名を変え、宴会場として一般に開かれたが、8000坪に及ぶ築山(つきやま)式庭園や、宮大工の技を駆使した設(しつら)えは、藤田財閥の財力と権勢を当時のままに伝えている。



会員の方は