[緊急鼎談]コロナと日本人 宮台真司×與那覇潤×宮沢孝幸

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相互監視の「自粛警察」が横行し、マスクをしない人を殴打する者も現れた。
ホワイトカラーはテレワークができない人たちを見て見ぬふり。
この社会で、何かが確実に壊れはじめている――

いつになれば、この異常な状況から抜け出せるのか。コロナ禍が長引くにつれて、聞こえてくる軋みは大きくなってゆく。政治家も医者も科学者も、そして一人ひとりの国民も、正気を失いかけている。

【1】
「私権の制限」を課すのは正しいか
コロナ陽性者は「犯罪者」なのですか?

宮沢:昨年末から始まったコロナの「第三波」も、1月7日をピークとして順調に感染者が減っています。このままいけば3月初めには、いったん収束するでしょう。

 では、今回の感染拡大の原因は何だったのか。「気の緩みだ」とか「GoToで皆が出歩いたからだ」という世論が強く、政府はそれを受けてGoToを取りやめました。しかしウイルス学の観点から言えば、冬場に感染者が激増するのは当たり前です。自粛が不徹底だったから増えたわけではないし、自粛再開のおかげで減ったわけでもありません。自然増と自然減だったと見ています。



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