週刊現代創刊55周年特別企画 あなたには本当の友がいますか

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――こんなに長く生きてきても、いないもの。その人はあなたを助けてくれますか

本当の友とは何なのか―。その問いに答えるのは難しい。家族とも恋人とも違う、特別な存在。人生のなかで様々な経験をしていくうえで、人はそれぞれの友情を見つけていくのかもしれない。

「友人」とは違う

 経営していた会社の倒産などで2億円にも及ぶ借金を背負い、その返済のために小説家となることを決意した山本一力は言う。

「本当の友とは何か。それを定義するのは難しい。でもそんな存在に一人でもめぐり合えたら、男冥利につきるだろうな。

 自分のことを言えば、そう思えるような友が二人いる。私が高知から東京に出てくるとき、駅に見送りにきてくれた中学時代の同級生二人だ。彼らは自分で生計を立てて、結婚し、親を見送り、子どもたちを結婚させて、いまも高知できちんとした暮らしをしている。私はこの二人のことを尊敬している。あいつらは自分の人生を生きているからね。でも彼らは私のことを、生涯の友だとか、親友だとかは思っていないかもしれない。こう思っていてほしいと相手に期待するのではなく、私がどう考えているかが大切なんだ」


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