原発賠償金で9億円を騙し取った「わるいやつら」

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深層スクープ

「迷惑をかけられたのだから、カネをもらうのは当然」
謎の女将が暗躍し、次々と「共犯者」が仕立てられていった

震災から9年が過ぎた。東電の賠償金は悪人たちに狙われ、企業の社長たちも不正にかかわった。詐欺の「加害者」であり、事故の「被害者」である彼らは、それぞれの罪を背負いながら、いまを生きている。

ハンコを押すだけでいい

「あんた、賠償金はもうもらったかい?」

 福島県内で運送会社を営む平子幸雄さん(70歳・仮名)が原発事故の賠償金詐欺にかかわったきっかけは、'15年、知り合いの社長からかかってきた一本の電話だった。



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