あの頃、なんで南沙織だったんだろう

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週現
センチメンタル・ジャーニー

いまもって特別な存在

歌が上手かったのは小柳ルミ子だった。
レコードが売れていたのは天地真理だった。
まもなく山口百恵が登場し、圧倒的な時代の寵児となっていく。
だが、デビューからわずか7年で引退した彼女のほうが、いまも忘れられない

日本に返還される直前の沖縄から、南沙織はまさに南風にのってやってきた。小麦色の肌、エキゾチックな顔立ちに独特な歌い回し。知的な雰囲気と等身大な振る舞いも、新鮮に映って見えた。

「シンシア」の登場

「南沙織という存在を初めて知ったのは、1971年、私が小学5年生の時です。何気なく観ていたテレビ番組に、デビュー直後の沙織さんが映っていた。ストレートの黒い髪に、小麦色の肌。異性を好きになる年頃に差し掛かった私の目の前に、突然現れたのです。とにかく衝撃でした。



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