井上陽水という異物に出会った青春時代

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1970年代 センチメンタル・ジャーニー

『傘がない』『心もよう』『人生が二度あれば』『夢の中へ』
『青空、ひとりきり』『氷の世界』……
’70年代初頭、福岡からひとりの天才が現れた

拓郎が太陽だとしたら、
陽水は月だった。
得体の知れない暗さと世界観に、
僕は訳もなく動揺した

陽水の歌から漂う悲しみはどこから湧き上がってきたのだろう。気が付けば心に染みるあの声に人生を支えられていた。孤独に身を置き、温もりを求める。井上陽水の生き様がそこにあった。

なんだ、この歌は?

「陽水の歌を初めて聴いたのは、47年前、大学1年生でした。同じ大学に通う親友の下宿先に遊びに行ったとき、『この歌手、本当に凄いんだよ。とにかく聴いてみて』と勧められたんです。



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