アパレル崩壊、そして――三越伊勢丹がなくなる日

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楽しい想い出をありがとう。
寂しいけれど、これが現実

次々と不採算店舗を潰し、なんとか黒字化を図る百貨店業界。かつて庶民の憧れだった場所に、いま人影は少ない。百貨店は「なんでもある楽しい場所」としての役割を終えてしまったのかもしれない。

止まらぬ閉店ラッシュ

「私たちにとって最も幸せだったことは、このお店で皆さまとお会いできたこと。皆さまと共に歩ませていただいた大切な時間が消えてしまうことはありません」

 2019年9月30日、神奈川県の伊勢丹相模原店が閉店した。閉店セレモニーで店長が冒頭のように挨拶したのち、地元の買い物客が行き交った入り口の扉が閉ざされる。29年の歴史に幕を下ろした瞬間だった。



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