[独占インタビュー]ノーベル賞・吉野彰さん 私はこうして「悪魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」と闘った

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研究で苦労し、開発に悩み、
売れなければすべてパー。
厳しい企業研究者の世界を本人が明かす

何千回も失敗して、何万回もやり直す。暗闇を駆けるような日々の果てに辿り着いたのは、前人未到の発明だった。世界を変える、そう志を立てた日から、挑戦こそが吉野さんの人生そのものになった。

ビジネスの世界で生きたい

「いまでも忘れません。京都大学の工学研究科を修了した'72年。そのまま大学院に残って博士課程に進むか、就職するかの選択に迫られました。

 そのとき、私は企業の一社員として研究を実らせ、それを商品として具体的な形にしたいという思いに駆られました。自分が携わったもので世界を変えたい、本気でそう思いました。企業に入り、在野で社会に揉まれながら新しいものを作る。そのエネルギーや可能性に惹かれたんです」



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