[シリーズ’70年代 僕らの熱い青春に逢いにいく] 吉田拓郎と井上陽水に感化された僕たち

[ptitle]
彼らはまぶしいくらいに新しかった

たとえるならば太陽と月。'70年代、若者たちの文化を塗り替えてしまったふたりの天才はすべてが斬新だった。自分の生き様を貫き通す。僕たちは拓郎と陽水のそんな姿に痺れ、そして共感したのだ。

第1部
'70年代フォーク・ロック界に突然現れたふたつの才能

これは、自分の歌だ

「拓郎さんや陽水さんの音楽には、若者に『新しい時代がやってきた』と思わせる魅力がありました。'60年代までのフォークは、学生運動の真っ盛りだったこともあって、反戦ソングが多かった。歌詞には難しい言葉が並べられて、どこか『自分たちが世の中を変えなきゃいけないんだ』という、気負った雰囲気がありました。

 そんな中で、ふたりはそれまでまったくなかった曲を世に送り出したんです。歌の中の主人公は、あくまで等身大の『僕』自身。自分の身の回りのことを、平易な言葉で歌っていた。画期的でしたね。音楽的な意味だけじゃありません。ふたりの発するエネルギーに打ちのめされ、触発された若者は、本当にたくさんいました」



会員の方は