令和元年度 講談社 本田靖春ノンフィクション賞(第41回)受賞作品

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軌道
福知山線脱線事故
JR西日本を変えた闘い
(東洋経済新報社)
松本 創

今回の受賞作は、ルポルタージュ、伝記、体験記などのノンフィクション作品で、単行本、新聞、雑誌などに、'18年4月1日より'19年3月末日までに発表されたものから選ばれました。選考委員は魚住昭、後藤正治、最相葉月、中沢新一の4氏です。

 候補作品は受賞作の他、門田隆将『オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり』(PHP研究所)、河合香織『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』(文藝春秋)、近藤雄生『吃音 伝えられないもどかしさ』(新潮社)、森功『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』(講談社)の4作でした。

 なお、本賞は今年度より、戦後を代表するノンフィクション作家である本田靖春氏の名前を冠し、新たなスタートを切りました。

受賞のことば

 組織と個人、その相克を描きたいと思った。官僚主義が色濃く残るJR西日本という巨大企業に、福知山線脱線事故遺族の淺野弥三一(やさかず)氏という一個人がいかに粘り強く対峙し、その組織風土を変えようと闘ったか。単に誰かの責任を追及し、断罪するのではなく、「組織事故」の構造を解明し、真の安全思想を根付かせるため、どのように交渉と対話を重ねたか。



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