インサイドレポート トヨタを動かす小林耕士という男

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社長を「豊田君」と呼び、降格や左遷は当たり前

37万人社員が恐れおののく豊田章男社長の懐刀

番頭と呼ばれた人物ならこれまでもいたが、「摂政」は初めてだろう。事実上の社長として世界有数の企業を牛耳るこの人物は、いかにしてここまでの力を持ち得たか。その実像を解剖する。

井上久男(ジャーナリスト)

銀行幹部の「小林詣で」

 いまトヨタ自動車は、旧来の価値観をぶち壊すような改革に動いている。それを仕切るのが、豊田章男社長(63歳)が全幅の信頼を置く小林耕士(こうじ)氏(70歳)。社内では「トヨタの摂政」と呼ばれる。

 代表権を持つ副社長として、CFO(チーフ・ファイナンシャル・オフィサー)とCRO(チーフ・リスク・オフィサー)を兼任し、資金とリスク管理の両面からあらゆる方向性を決める権力を持つ。



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