[ドキュメント]ひとりの男に捜査員3000人 大阪府警の眠れない夏

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「アカン、みんな樋田に見えてきた」
防犯カメラをチェックする捜査員が漏らした。
「騒ぎを起こしてくれな、見つけられん。
でも、騒ぎが起きたら大阪府警は終わりや」

平成最後の夏に大阪・富田林署で発生した、凶悪犯の脱走劇。一刻も早く逮捕しなければ、市民に危険が及んでもおかしくはない。だが、男は巧妙に逃走を続ける。現場で追う大阪府警の苦悩とは。

実家前でひたすら待つ

 大阪府松原市にある広大な田んぼに面し、人通りのほとんどない区画に、樋田淳也(ひだじゅんや)容疑者(30歳)の実家はある。その前に、大きなグレーのワゴンが1台、エンジンをかけたまま停車していた。



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