トッカイ――バブルの「しんがり」たち 第13回 「容赦なき回収」時代の終わり
社会 | 2018.08.09 |
闇に溶けたカネを回収する男たちの闘いを描く
話題沸騰のヒューマン・ノンフィクション連載
攻めるのは得意だが、守りには弱かった。「厳格回収」に反撃する債務者たちが突きつけたのは、回収最前線の秘密録音だった。やがて国民的英雄だった中坊公平は、弁護士廃業にまで追い詰められる。
清武英利(ノンフィクション作家)
話題沸騰のヒューマン・ノンフィクション連載
攻めるのは得意だが、守りには弱かった。「厳格回収」に反撃する債務者たちが突きつけたのは、回収最前線の秘密録音だった。やがて国民的英雄だった中坊公平は、弁護士廃業にまで追い詰められる。
清武英利(ノンフィクション作家)
前回まで/旧住専や銀行などから借りたまま、隠匿されている資金の「追跡」を続けるのが、「整理回収機構」特別回収部、通称トッカイだ。男たちは、中坊公平社長の直轄組織として、大口・悪質不良債権の回収を行っていた。
ワンマン社長に辞任通告
そのころはまだ、整理回収機構の窓も外に向かって開け放たれていて、大阪の元新聞記者だった中川剛毅(つよし)を広報顧問として雇い入れる余裕さえあった。NHK『クローズアップ現代』取材班の収録は、その広報顧問の同席や機構幹部の制約を受けたりすることもなく、自由に続けられていた。
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