三つ星割烹「千花」の悲劇 祇園で火事を出したら、こんなにややこしい

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「焼くのは魚だけにしてほしいわ」
「ちやほやされて、浮かれてたんと違いますか」

京都でも有数の老舗が火元になった火災。店も常連も失って、主人は失意に暮れていることだろう。しかし京都という土地柄、最もこたえるのは周囲からの厳しい視線。茨(いばら)の道が待ち受けている。

三島由紀夫も通った名店

 5月12日の昼過ぎ、大勢の観光客でにぎわう週末の京都・祇園の街に煙が立ち込めた。

 八坂神社や南座などの観光スポットからほど近い四条通。それに面した細い路地を通り抜けた先にある高級割烹『千花(ちはな)』から出た火は、あっという間に燃え広がり、最終的に7棟を焼いた。



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