週現『熱討スタジアム』第282回 太地喜和子を語ろう 今週のディープ・ピープル 佐藤陽子×長田渚左×黒木仁

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酒と男と舞台を愛し
48年の生涯を駆け抜けた
昭和の大女優

昭和を代表する「いい女」。舞台上で妖艶な色気を見せる一方、私生活では酒豪女優と称され、男勝りの奔放な性格だった。映像作品が少ないことが残念でならない。

いるだけで舞台が華やぐ

長田:私は16歳のとき、太地さんの舞台『飢餓海峡』('72年)を観て、心を射抜かれてしまいました。体を売らなくては生きていけない儚(はかな)い女性を演じていたのに、強烈な存在感があったんです。辛く苦しいばかりではなく、ときにはクスッと笑わせてもくれる。娼婦である杉戸八重役と、女優の太地喜和子の狭間がわからなくなりました。あれほどの衝撃は、それまで味わったことのないものでした。



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