短期集中連載 栄光の代償といま向かい合う プロ野球「戦力外通告」の男たち 第4回 「何でも屋」のプライド━前田幸長の場合
スポーツ | 2014.03.22 |
飄々として見えるのは照れ隠し。本音は胸の内で熱くたぎらせてきた。自分らしい野球人生だったと思う。運命をこじ開けようと、がむしゃらに突き進んできた。小さな体に、大きな夢を詰め込んで。
ライター 赤坂英一
ライター 赤坂英一
細く長く
2007年のシーズンオフ、巨人は皇居前のパレスホテルで戦力外通告を行っていた。小野剛や福井敬治のような二軍の選手は多摩丘陵の寮に何人かまとめて呼ばれ、運営部長にクビを告げられる。それに引き換え、一軍で実績のある選手は、この格式の高いホテルに招かれ、球団代表直々に、うやうやしく、来季は契約致しません、と通達されるのだ。
しかし、どのように体裁を取り繕っても、クビはクビだ。一軍のマネージャーから電話がかかってきて、何月何日にパレスホテルへ来てくださいと言われたら、それが事実上の解雇通告なのである。おれ、クビか? うろたえて、そう聞き返す選手も少なくない。
しかし、どのように体裁を取り繕っても、クビはクビだ。一軍のマネージャーから電話がかかってきて、何月何日にパレスホテルへ来てくださいと言われたら、それが事実上の解雇通告なのである。おれ、クビか? うろたえて、そう聞き返す選手も少なくない。
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