[連載]裁判官よ、あなたに人が裁けるか・第二部 第4回 裁判員制度は裁判官の「責任逃れ」が目的だった/岩瀬達哉
社会 | 2018.03.08 |
死刑冤罪の連発で導入
「国民に開かれた司法」。裁判員制度は、そんな建て前の下に導入された。しかし、その根本には、「国民が参加していれば文句は言われないだろう」という思いが見える。制度の裏側に隠されたものとは。
岩瀬達哉(ジャーナリスト)
「国民に開かれた司法」。裁判員制度は、そんな建て前の下に導入された。しかし、その根本には、「国民が参加していれば文句は言われないだろう」という思いが見える。制度の裏側に隠されたものとは。
岩瀬達哉(ジャーナリスト)
「ミスター司法行政」の暗躍
「再審無罪ラッシュ」といわれるほど、確定死刑囚への無罪判決が相次ぎ、裁判所への厳しい批判が高まっていた1985年11月、「ミスター司法行政」と異名を取った矢口洪一(こういち)が、第11代最高裁長官に就任した。
矢口は、最高裁人事局長や事務総長など中枢部門を歩き続け、44年に及ぶ裁判官人生のなかで法廷での審理に携わったのはわずか8年。典型的な「司法行政官僚」だった。
矢口は、最高裁人事局長や事務総長など中枢部門を歩き続け、44年に及ぶ裁判官人生のなかで法廷での審理に携わったのはわずか8年。典型的な「司法行政官僚」だった。
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