[朝日新聞スクープ記者が特別寄稿]東芝崩壊 7人の戦犯たち

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現代版「失敗の本質」

名誉欲、保身、嫉妬……すべての失敗は「社長人事」にあった
これを読めば、名門企業がなぜ転落したか分かる

社員20万人を抱えるトップ企業は、なぜ危機に陥ったか。ライバルに敗北したからではない。この崩壊は、歴代社長による「人災」だった。同社を20年取材してきた記者が描く「東芝の悲劇」とは――。

ジャーナリスト 大鹿靖明

そもそも器ではない

 東芝社長の綱川智(つなかわさとし)は、もはやその威令が社内に行き渡らなくなっていた。

 傘下の米原発メーカー、ウェスチングハウスが今年3月、総額1兆円の巨額損失を抱えて経営破綻した。同社破綻に伴って債務超過に陥った東芝は、最大の稼ぎ頭である半導体フラッシュメモリー事業を「東芝メモリ」として分社化し、同社を2兆円で第三者に売却する計画でいる。



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