[週現サイエンス]奇跡の腸内物質 「スペルミジン」で長生きしても認知症にならない

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マウス実験では、寿命が25%も延びた!

元気に長生きしている人の体の中を調べてみたら、この物質がたくさん見つかった――動脈硬化、認知症予防の効果もあるらしい。続々と論文が書かれ、競うように研究が進む。謎の物質の正体とは。

遺伝学者も驚いた

 アメリカ・テキサス州のカレッジステーションにあるテキサスA&M大学。19世紀に開学した、同州で最も古く由緒正しい学校だ。クラシカルな建物が並ぶキャンパスの一角に、真新しい設備が集約された施設がある。中に入ると、いくつかの研究室が連なり、どの部屋にも顕微鏡がずらりと並んでいる。

 今年の春、この中のひとつのラボで、あるチームが実験を行い、その驚くべき結果がアメリカの学術誌『キャンサーリサーチ』に掲載された。チームの一員だったルユアン・リュウ博士は、がんの予防などについて多数の論文を発表している遺伝学者だ。リュウ博士が、この春の興奮を振り返る。



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