週現『熱討スタジアム』第250回 松田優作『野獣死すべし』を語ろう 今週のディープ・ピープル 仙元誠三×丸山昇一×寺脇研

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役作りのために歯を4本抜いた「狂気」が炸裂した問題作

アクション映画は、もういいんだよ――。
演じることに全身全霊をかけた俳優が次の役どころに選んだのは、どこか自分自身にも似た、狂気を眼に宿す男だった。

怯える室田日出男

寺脇:私は松田優作さんの出演映画はデビュー作(『狼の紋章』'73年)からすべて見ていますが、'80年の『野獣死すべし』は、優作さんの「真のイメージ」に一番肉薄した傑作だと思っています。

丸山:ありがとう。寺脇さんのような生粋の映画ファンの方には、そう言ってもらえることも多いのだけど、当時の大方の反応は「なんで優作にあんな役をやらせたんだ」とか、「日本を代表するアクションスターになり得た優作をあの映画が狂わせた」とか散々だったんですよ。



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