妻の目を盗んでテレビかよ 第358回 妻・藤原紀香の評価やいかに

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文 福田雄一 構成作家

 片岡愛之助さん主演の舞台『デストラップ』の稽古に入った。僕はこの先、暮れまで舞台が続く。9月に少しばかり映像の予定があるが、基本的には舞台。去年の1月にアマゾン配信のドラマを撮り始めて、『ヨシヒコ』『銀魂』『斉木楠雄のΨ(サイ)難』『スーパーサラリーマン左江内氏』そしてハワイの映画と1年半にわたる映画・ドラマの撮影ラッシュをひとまず終了し、舞台モードにシフトするというわけだ。

 今回はサスペンスなのだが、いつものように稽古は賑やかにやっている。まあ、でも、いつもの悪い癖が出て笑いばかり欲しがるとお芝居の根幹が揺らいでしまうので、今回は我慢、我慢で立派なサスペンス劇を作り上げようとしている。ちなみにお休み時間に何を話しているかというと、もちろん愛之助さんの奥さん、藤原紀香さんの話である。

 そう。ここに何度も書いているが、僕の習性として「妻の出来の悪さ」をしつこいほどに聞き出し、その辛さ、苦しさを共有するというものがある。そりゃそうでしょ? あんなにも完璧な女性に見える藤原紀香さんが! 実は超悪妻で、歌舞伎界のモテ男片岡愛之助が、毎日、めっちゃ苦しんでたら、こーーーんなに楽しいものないっしょ!

 だからね、毎日毎日、執拗に聞いている。「どんな食事してるんですか?」とか「べらぼーに高いバッグとか買ってくるでしょ?」とか「洗い物とか掃除とかやらされないんですか?」とか。ただ、どうにも完璧みたいなんだよなあ、藤原紀香さんは。そんな不公平あります? 家帰ったらそこに藤原紀香がいるってだけで夢の世界なのに、加えてさらに良妻てっ! 家事全般、完璧てっっ! 今んとこ、ひとっつも落ち度を引き出せてません。本番が終わるまでに絶対に引き出してみせますよ。藤原紀香の落ち度を! 引き出せたら、速攻、この連載で発表しますっ! しなかったら、完璧だったと思って下さい。

ふくだゆういち:作家兼監督。脚本・監督を務める、累計発行部数5000万部以上の人気漫画の実写映画『銀魂』が7月14日より公開予定

2017/06/24号


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