曽野綾子[特別寄稿]夫・三浦朱門との別れ

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曽野綾子さんの夫、三浦朱門さんが2月3日、間質性肺炎のため91歳で亡くなった。本誌連載『自宅で、夫を介護する』特別編として、曽野さんが朱門さんと過ごした最期の日々について綴る。

変わらざるをえないもの

 私が、自宅で夫を介護する決心をしたのは二〇一五年の末頃のことで、その題の趣旨はほぼ連載の最後まで続くだろう、と思っていた。それでこそ高齢者の増えた現代の日本において、もはや公共の医療施設で老人を見送ることが現実問題として次第に社会の負担になり、個人の家族が各自で看取るという日常性を改めて確認するほかはなくなるだろう、と思えたからだった。



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